Canon A-series DIY Repair

シャッター鳴きの修理


 この修理方法は正規の修理方法ではありません。ミラーメカニズムのギア部に注油することでシャッター鳴きを修理することは間違いありませんが、素人が分解によってそのギアにたどり着くのは容易ではありませんし、元に戻せなくなった場合にはカメラをあきらめるしかありません。そこで、実際に私が試してうまくいった、底蓋を外すだけでできる安全な方法を紹介しています。  

シャッター鳴きの修理方法
 シャッター鳴きと呼ばれていますが、実際に異音が発生するのはミラーユニットのギアです。このギア部に注油することでシャッター鳴きを直すことができます。以下に画像を使いながらシャッター鳴きの箇所を示します。


 下の画像はミラーユニットを裏側から見た写真です。
赤いラインは注油時のストローのイメージを表現しています。
実際にはボディを全く分解しませんが、どこに注油すべきかイメージできた方が作業が確実です。
 


潤滑剤について
 キャノンのリペアマニュアルにはアストロオイルを注油するように記載されています。アストロオイルというのは元々NASAのために開発されたオイルで、広い温度において粘性が変化せず、高湿度で腐食しないという優れたオイルなのだそうです。カタログ上での性能を維持するのであれば、メーカー指定のオイルを正規の方法で注油する必要があります。

 私が使うのはKURE CRCシリコンルブスプレーです。販売価格は500円くらいです。このシリコンスプレーは無溶剤タイプなので様々な素材に安全に使用できあます。
CRC 5-56は樹脂を劣化させたり、有機溶剤を含むためホコリも付着してしまいますので絶対に使ってはいけません。



注油方法

 カメラの底蓋は2か所のネジを緩めるだけで取り外すことができます。 写真左側は巻き上げレバーを巻き上げた時、右側はシャッターを切った後の状態を示した画像です。電磁石のアーマチュア(接触子)の変化に注目して下さい。
左の赤い点で示した箇所がストローをさし込める場所です。巻き上げた時にできるわずかな隙間から慎重にそっとストローを差し込んで下さい。

 差し込む深さは30mm弱です。テープで印をつけると安全です。
絶対に無理矢理差し込まないで下さい。もしミラーのスプリングが外れてしまったら厄介です。
 

注意

 うまくストローを差し込めたら後はスプレーするだけですが、ここで注意することがあります。最も重要なことは可能な限り少量のスプレーにとどめることです。スプレーする場所はシャッター幕の近くです。シャッター幕にスプレーがかからない様にしなければなりません。実際にスプレーする前に練習をした方が良いと思います。ジュッといった感じです。

 スプレー後は何度かシャッターを切り、シャッター鳴きの様子を確認します。ちゃんと目的のギア部にスプレー出来ていたら、数回シャッターを切ればだんだんと鳴きが治まってきます。もしもすぐに鳴きが治まらなくても慌てて何度もスプレーしないようにして下さい。しばらくシャッターを切っているうちに、治まることもあるようです。最後に底蓋を閉じれば完了です。

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